平成21年10月〜22年7月の間、県教委HPに連載した素人の駄文です。
・・・・・も山の賑わい!! 当HPの面埋めに!ご笑読下さい。(田中直英)
教育委員コラムの開設にあたって
「教育委員コラム」の開設にあたり、その目的と趣意を県民はじめ県下の教育現場、教育行政にあたられる皆様にお伝えしたいと思います。
初回ということで、教育委員会委員の姿勢、想いをお伝えします。
平成19年の高校未履修問題、平成20年の大分県における教員採用不正事件は、教育委員会の在り方が問われる残念な出来事でした。私たち長崎県の教育委員もこれらの問題を重く受け止めました。教育委員会は誰の為に在るのか、何が大切なのか、何をなすべきか、原点に帰り、また、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正も受け、地道に歩き始めました。
歴代委員から受け継いだものは、「教育委員会は、子どもたちの為に在り、子どもたちを育む学校現場の為に在る」という不変の理念です。
私たち委員に求められていることは、県民視点、素人感覚で教育行政に対応することです。そして、私たちが目指すことは、慣例や慣習にとらわれることなく、絶えず県民視点を持ち、事務局とは協調と緊張の関係を大切に、発言、発信する委員会となることです。
また、名誉職とさえ言われる、形骸化、追認型の教育委員会から脱皮しなければなりません。それには、まず私たち委員の意識改革が必要です。委員が現場を見て、学び、知識を深め、広く的確な情報を得ずして今日の複雑多岐な教育行政に物申すことはできません。今の社会は、真の「教育委員会力」を持たずして、成立しないとの危機感が必要です。
今年5月、長崎県市町村教育委員会連絡協議会の総会の折り、2時間の合同研修の場をいただきました。1グループ約10名の11分科会、その基本テーマは全て「教育委員会・委員の役割と責務」。各グループ堰を切ったかのごとく、活発な前向きの論議がなされました。県下市町教育委員及び県教育委員全員がともに語り学びあったこの2時間は本県教育の風となり、県下の子どもたちの成長の糧となるスタートと信じます。
門川・京都市長は、「今、教育委員会に対する厳しい風があり、存在意義そのものが問われている。指摘には謙虚に耳を傾けなければならないが、『制度』の問題ではなく、かかわる人の『志』と『行動』である。迷ったときは、困難な道を選ぼう」と述べています。このことは、教育委員会の在るべき姿として共感と自戒を覚えます。
本県教育も課題山積です。公平で開かれた教育行政のために、微力ですが、委員それぞれに「志」と「行動」で精進いたします。
特にこのコラム、委員諸兄が個人の立場で、教育行政にとらわれず、日頃感じたこと、思うことを自由に表現することで、県民の皆様と教育委員会と委員がより近くなればと願います。
初回ということで少し固いコラムに、お許し下さい。次回は楽しいコラムを御期待下さい。
平成21年10月21日 教育委員長 田中直英