この話題は長崎西高とは直接関係は無いと思います。また長崎在住の人を差し置いて書くことも出しゃばりのようで気が引けなくもありませんが、自分にとって人ごとではなく、同世代の我々にとっても避けて通れないテーマだと思ったので、投稿する気になりました。
長崎在住のマンガ家「岡野雄一」氏が「ペコロスの母に会いに行く」を、昨年1月自費出版しました。長崎市内の書店で売上トップとなり、7月に西日本新聞社から再編集刊行され、半年で12万部のベストセラーになったそうです。NHKでも今年2月17日のBSプレミアムで取り上げ、その時はじめてこのことを知りました。そして同時に森崎東監督によって映画化が進み、2月27日撮影が終了。映画は今夏、長崎で先行公開され、秋には全国で公開される予定とのこと。
自分は「文芸春秋3月号」ではじめて岡野雄一氏の取材記事を読み、10頁ほどの氏のマンガを見ました。触れ込みは「ハゲちゃびんの漫画家ペコロスこと雄一が、父の死後に認知症と診断され施設で暮らす母の老いの日々を見つめる、笑えて泣けて、切なくもほのぼのした家族の物語。介護というどこか暗く直視したくない現実を、温かいタッチの絵と長崎弁で“ほっこり”そして“切なく”描く」というもの。
実は自分の母親も平成6、7年頃から認知症と診断され、いくつかの施設にお世話になりました。最後は父親も一人の生活が困難となったため2人一緒に老健ホームに入ることになりました。我々子供3人は福岡、関西、関東と長崎から離れて暮らしていたため、受け入れ施設との交渉や、介護見舞いなど大変な一時期を過ごし、それが家庭不和の原因にもなりました。そんな事情を経験しているので、この漫画は人ごとではなく、身近なものとして受け入れられたのです。 漫画のタッチは素人っぽく決して巧いとは言えませんが、ほのぼのした温かさが滲み出て、なにより長崎弁のセリフがなんとも言えずよかですたい。映画は母親役が赤木春江、主人公が岩松了、原田貴和子(共に長崎出身)、竹中直人ら。公開が楽しみです。